高校放送OBの「放送日和。」第二弾。あなたにとって好きな高校放送作品は?(流星×りんりん)

放送OBの「放送日和。」流星×りんりん

というわけで第二弾です。

一弾を是非読んでからどうぞ!→こちら

 

作品制作を振り返る

り「揃えられた時間と環境の中で、どこにステータスを振るかっていう。確かに機材環境はちょっと違うかもしれないけど。放送部って1つのステージの中で統一されているから、どこにステータスを振るかって面白みがある。」

流「40万の機材を個人でもってるやばいやつとか大学生だといるから…。放送部の時は機材を持ってるってだけで、驚かれたけど。」

り「流星のレベル※でさえ馬鹿って言われたっていう(笑)怖いな。」

流「こええなぁ」

※当時の僕はZOOMのH1でSE収録、ソフトウェアはキューベース、レノボの5万円のノートパソコンで自宅編集してました。これだけで既にガチ勢扱い…映像ガチ勢のりんりんの出費は見ていて恐ろしかったくらいです。

(当時の家にあった機材。今に比べればかなり少ない。)

流「大学生になって、やっぱ気づくことってあるね。もっと単純だったのかなって思うよ。」

り「というと。」

流「高校生らしさ。」

り「あぁ(笑)」

流「やってる時ってさ、『どうやったらいいんだよ!』って要項を叩きつけてる感じ。(笑)今考えたらそんなに難しくないっていうか。」

り「高校生じゃなくなったからわかるやろな。」

流「高校生って概念を俯瞰的に見るようになったからなんだろうなぁ。」

り「こないだ『サクラ作』※見たらさぁ、なんだこの高校生らしい作品は!って」

※N63の全国優良作品。りんりんはその作品の映像や音響を担当した。

流「今の自分には作れないけど、今作ったら高校生の皮を被った何かみたいなになる。(笑)」

り「ワイらがやったのってありきたりだけど学校をテーマに、身近なテーマを発展させたみたいな。高校生らしさの表現の方法としては正解だったのかなとは思うかなぁ。」

流「ちゃんと賞も取ってましたもんね。」

り「(テーマが)高校生らしくない作品を、高校生が作るっていうのも、それはそれで高校生らしいかなって。ちゃんと調べて研究して作ったんだっていうのはわかるし。

あとさ当時の自分ちゃんと頑張ってんなって思うことない?」

流「技術ないなりに意外と頑張ってんな、みたいな。…最近、自分が過去に作ったラジオドラマ聞いたら地獄ですよ。(笑)」

り「今の自分からみて、粗とかを含めてやっぱり面白いもの作ってんなぁって思うよね(笑)」

ー「高校生らしさ」って言い方が卑怯だけど、高校生活を過ごしてる高校生が作品とひたむきに向き合って作れば大体は高校生らしくなっちゃうんじゃないかって思ってしまいます。今だからこそ思えることですが。

 

高校放送で好きな作品

流「じゃ今までの高校放送のなかで好きだった作品とか原点だったなって作品は?」

り「まぁ『恋愛方程式』※かな。」

※N60のテレビドラマ優勝作品。謎の方程式をきっかけに始まる恋愛物語。

り「あれは自分らと同年代のテレドラ作ってた人の4割位はアレって答えると思うよ。」

流「確かにね。俺もテレビドラマ作ってなかったけど覚えてるもん。」

り「あれはすごかったほんとに。何が凄いって、ぱっと見で面白いんだわ、あれ。『深くこれがこうなってるからすごい』っていうのじゃなくて、見たら面白いんだよ。それでいて面白さの影にちゃんと技術が注ぎ込まれている。」

流「技術が先行して面白さがついてこないとかじゃなくて、単純に面白くて。支えているのが技術力っていう。」

り「1番正しいパターンだね。例えばすごい映像の技術に凝ってだけど中身が伴ってないみたいな作品も多いわけで。そういう作品もすごいんだけど、ここがすごいってのがわからないと凄くないっていう。」

流「同業者が見て、『あーすごいなー』とか『きっと収録の時、苦労してるんだろうなぁ』ってなるやつ。」

り「恋愛方程式は違うわけ。ぱっと見て面白い。どの分野の人が見ても面白いわけじゃんそれがすごい。」

流「そうな。面白かったよなぁ。」

り「その観点で言うと、個人的にはよ?個人的にはすげぇいい作品だと思うけど『大谷花菜は喋らない』伊丹北の。あれは面白いと思ったけど(ちょっと違う)。『学園裁判』と『その女、スパイにつき』があったから培われた技術とセンスとで、クオリティーが高かったのよ。」

流「確かにスパイは誰が見ても凄いし、やばかったよね。技術的にもやばかった。(笑)」

り「ただ、大谷花菜に関しては技術先行しすぎたかなって気がしなくもないかなぁって。」

流「確かにね、演出とか凝ってるなって思うんだけど。前二作が面白かったから期待が凄すぎたっていうのもあるんだけどね。批判するわけじゃないけど。実際面白かったし。」

り「逆に大谷花菜の技術はすごいんよ。特に録音技術。全く違和感がないんよ。」

流「あぁ…だってねぇ。放送部のドラマってやっぱ…アテレコ感めっちゃ強いじゃん。しょうがないことだけど。」

り「そう。」

流「音声やってる身としては、『おいおいおい!頼むよぉ!』って思っちゃう。(笑)」

り「やっぱね、違和感がないっていうのは一番凄いことだと思うんよ。」

流「それな!」

り「例えば、ドリーひいてグルグルグルグルやるのはやっぱ目に見えてスゲェじゃん? すげぇってなるんだけど。もっと大切なのって、『あれ瞬間移動してね』みたいな、そういう違和感を覚えたりする回数が少ないとか、ない方が大事だと思うんよ。」

流「ごもっともです!!」

り「やっぱ、技術っていうのは加点じゃなくて減点方式だと個人的に思うから、いかに減点されないってのは凄い大事だと。」

流「めっちゃ思うよそれは…。」

り「その点で言うと大谷花菜の音声については、ほんっとに違和感ないのよ。」

流「確かに見てて違和感はなかったなぁ。やっぱりさ、違和感あると『うわっ』てなるじゃん。その間に(視聴者は)置いていかれて。せっかくの良いシーンとか最高の山場とかで『あれなんて言った?』とか、腑に落ちないというか入り込めないというか。アレだよね。」

り「そういうのがなかったねぇ。」

ー映像作品だからこそ、音声にこだわる。違和感というのはそれだけで作品を台無しにしてしまう可能性のある危険因子。現役生には頑張っていただきたいところ。

 

流「他の映像作品だと…やっぱ『ドリームがぁ!』がやばいね。『IDENTITY』※

※N62の全国6位作品。ドリームという夢の世界に行く話。いや、もっと詳しいあらすじを話したいがセリフの「ドリームがぁ!」が記憶に残りすぎて出てこない。CGや撮影技術が凄かった作品です。

り「アレは凄い(笑)」

流「放送やってる身としてはさ、あの人(制作の人)は大学生で、ほんとに自分のやりたいことをやってるって感じがするんだよ。自主制作映画のマーキュリー※作ったり、大先輩な訳ですよ。」

※よかったらご覧ください→リンク

流「高校生の時にIDENTITYを作ったっていう、良くも悪くも高校生の俺たちに刺さったっていうか。みんな真似したわけじゃん。みんなで『ドリームがぁ!ドリームがぁ!』って(笑)」

り「あれはね(笑)印象を植え付けてハンパなかったよね」

流「高校生ここまでやんだっていう。あれは技術先行っていうか、なんていうか、表現というか。」

り「あれはあれ自体が中身っていうか。プロジェクションマッピングすげぇ!みたいなノリで、綺麗なもの見たら綺麗って言うように。」

流「凄いもの見たら凄いって言う。」

り「つまり、あれは凄い。」

流「ドリームがぁ!!(サイゼリヤの店内に響く声)」

ー記録にも記憶にも残る作品というのは、やはりすごいなと実感します。それは技術だけではなく、制作者の想いや熱意によるものなんでしょう。

流「ドキュは専門外なので…。」

り「さっぱりわかんないですー。」

流「面白かったって言えば…ラグビー部※だけど。(笑)」

※「ぼくはラグビー部」N61の全国優勝作品。放送部員がラグビー部に入るというテレビドキュメント作品。

り「あの人にしか出せない味だったね。」

流「テレビドキュメントでこういうのもあるんだっていう思わされたね。」

り「『解凍式』※然りなぁ。」

流・り「ハハハ!(笑)」

※N59の全国優勝作品。氷漬けされた制服を解凍する式を調べる…?みたいな話だったと思う。インパクトがやばすぎる上に、インタビューする相手、だいたいみんなよく分からないみたいなコメントだったのも面白かった。テレビドキュメント。

り「ラジオドラマはどうよ」

流「ラジオの方はいっぱいあるけど…あーやっぱ『トイレット/シークレット』※かなぁ。」

※N61の全国優勝作品。トイレで交わされる3人の秘密の話。当時大好きすぎた僕は制作者宛のポストカードにメールアドレスを書いて送るという暴挙をした。謝りたい。

流「1年生の時にNHKホールで聞いたあれが忘れられないんだよね。内容うんたらってよりも、NHKホールでラジオドラマが流れてんのに、あの中でみんながニコニコ笑いながら聴けるって言うあの凄さ。」

り「自分らの時ってラジオドラマ何が優勝したっけ?」

流「2年の時は卓球少女ハルちゃんで、3年の時は授業実況。授業実況はすごかったね、あのテンポ感と効果音、BGMの絶妙な編集が。授業をここまで広げるかって感じ。授業と実況って言う本来交わらないものを掛け合って合わせてて、そうきたかー!みたいな。」

り「やっぱその違うものを掛け合わせてやる設定っていうのは面白いよね。」

流「そんな中で正直、高校放送でイッチバン好きなのは個人的に今年の優勝作品『自分の証明』なのよ。 2年生の時の準優勝高校が作った作品で、正直…今後こんな凄まじい作品はそうそうないだろうなって。」

ー3年間、全国の作品を準々決勝から見てきて高校放送の作品だけでも300本くらいは聞いてきた自分が、その年の準々決勝で「これは優勝するな…。」と思ったほどの作品。本当に凄かったのですが、ここで書くと終わりが見えないので割愛。

り「(その場で8分間聞く)…これは…やばいわ。」

流「だよね、なんていうか、その。やばい。」

り「普通に村上春樹とかが書いてそう。村上春樹読んだことないけど(笑)

流「適当すぎ(笑)

(この後、10分近く『自分の証明』について語りました。ここでは割愛…。)

り「伝えるための技術がすごかったね。」

流「より一層自分も頑張らなくちゃなって思うわけですよ…。」

り「人生について教えてもらいたくなったわ(笑)」

流「まぁ高校放送面白い作品が多いよね!」

ーやはり、高校生の発想というのは大学生になった今でもすごいなと思うものがたくさんあります。柔軟な、奇想天外で、それでも王道だったり、夢があったり、恋愛だったり…ジャンルも色も、様々なことが許されるコンテストだからこそ、そこにドラマがあって面白いんだろうなと思います。

(夏の放送室で疲れから寝始めるりんりん。上に乗っているのは当時放送室にあったぬいぐるみ達。どこの放送室もこんな感じなのだろうか…。)

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というわけで今回はここまで!

次回最終回になります!

次回はりんりん氏の「サクラ作」を通して意識した作品制作の話。

そして今の放送活動の話をまとめます!

長々と続けてしまい、申し訳ありませんが最後までお付き合いください…!

 

余談ですが、文中の(笑)は部分的に大いに笑ってる場所であって、全体的にずっとニコニコ笑いながら酔ってないのに酔ってる感じで話してます。

ハイテンションで声を再生していただけるとより楽しめると思います。

 

それでは今回はこの辺で!

そんなわけで毎日に夢を描いて。


あなたの流れ星になる為にひたむきに頑張ります!


ここまでのお相手は、「りゅーせー」こと岩本流星でした!


 

 

 

 

 

 

 

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