言葉、ことば、コトバ。
ラジオドラマを描くものとして。またある時はラジオで事実や想いを伝える人間として。
常々、「言葉」に悩まされる。いや、勝手に悩んでいると言った方が誤解はない。
人間である以上、私たちは「言葉」に、振り回され、励まされ、苛立ちを覚え、喜ぶのかもしれない。
何が言いたいって「言葉って難しい。」
作品を描いてる時に決めていることがある。
「この言葉で、誰かの心を少しでも変えたい。少しでも見える景色が変わればいいな。」
僕は「誰かを少しだけ変えたくて、言葉を綴る」
「誰か」とは大切な友人かもしれないし、想いを寄せていた人かもしれないし、もしくは未来の自分かもしれない。
「作品でそんなことを考えなくても」
そう言われたり、もしくは
「言葉に誰かを変える力なんてないよ」
と言われるかもしれない。事実、言われたことがあって、家でむちゃくちゃ泣いた。
君のその言葉で僕は変わったかもしれないのに。
そう。考えてみれば、
「言葉は一切、感情や行動に影響を与えなかった」
そんなことはなかった。少なくとも僕の人生では。
もちろん、「誰かを変える」なんて言葉は傲慢だ。でも、「誰かを少しだけ幸せにしたい」そう思うのは、傲慢だろうか。
「行動の積み重ねが今を作る」ならば、その行動を促すような「言葉の積み重ねが未来を作る」そう思ってもいいんじゃないか。
だから、言葉は大切に選びたいし、大切に受け取りたい。そう思う。
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余談。読みたい人だけ。
今、言葉にできない感情がある。
僕は「言葉は誰かを変える」そう思っているからこそ、日頃から何かを真剣に伝えたい時、言葉を選ぶ。
高校生の放送大会でラジドラの感想を書く時がある。
これほどかと言うほど言葉を選ぶ。少しでも喜んでもらえて、かつ伝わる言葉。
そこに批判入れない。そんなの、ただのOBに言われたところでしょうがない。
「せっかく感想を送るなら、やっぱり嬉しくて、喜んでもらえるような内容がいいに決まってる。」
そう思っているから勝手なポリシーを貫いている。
そもそも、これを始めたのが「全国大会まできて、感想をもらえなかったのが悲しかった。」からであるから当然と言えば当然だが。
「今日、ユニドルの大会を観に行ってきた。」
本当は、ただこれを書くためだけにこのブログを書いた。
なんなら普段は感想をツイートしている。でも、今日はできなかった。
応援しているチームがあって、いつも感想をツイートしていた。今日は、できない。ブログにした。
端的に答えから言えば「伝えるに適切な言葉が見つからなかった」
そして安易な気持ちでツイートはしたくなかった。
応援しているチームと僕の今日の話をしよう。
そのチームは予選とは別のチームに感じるくらい一体感が増していて。大きなステージに負けてなかった。
2曲目では今までのステージでの姿を観てきたこともあって、勝手に1人泣いていた。
すごい努力をしてきたんだな、頑張ったんだな。このメンバーなら、これからも応援したい。期待したい。
そう思って見ていた。でも、決勝への壁は高い。結果を聞く前から、他のチームも凄かったとどこか冷めてる自分もいた。
僕は何も言えない感情になって、結果発表を聞いてそのまま帰った。
他にも応援しているチームや素敵なパフォーマンスをする人がいて、決勝まで見るはずだったのに。
別に、当人でもなければ、母校でも、友人でもない。なのに、泣いていた。
帰りながら、応援してるチームに伝える感想を書いては消した。
「いいステージだったよ!」とか「最高だった!」とか。
でも、どの言葉も、言葉にすれば安っぽくて、本当の僕の気持ちは伝わらない気がした。そして、相手に失礼な気もした。
「決勝いけなかったけど、僕には最高に素敵なステージだった。決勝以上に大事なこともある…」そう入力して、違うと思った。
「僕も本当は、そのチームの決勝のステージを見たかった。僕も、悔しい。」感想で一番最初に伝えたいのはその言葉だった。
ただ、それを本人達に直接送るのは違う気がしていて。誰よりもステージに立ちたかった悔しさを知ってるのは本人たちなんだから。
でも言葉にしなければ伝わることはない。だから結局、文字数的にブログに書いた。当人は読まないかもしれないけど。
興味を持って応援してる、いわば部外者をファンにして、泣かすくらいステージをよかったと思わせる。
それだけのことをやってできるって、
「すごい。」
…すごいじゃ言い表せないことはわかっているけど、めちゃくちゃすごいことをやってる。
だから、自信を持って、これからも頑張ってほしい。これが伝えたかった言葉なんだと思う。「すごいんだよ、みんな」
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これだけ「言葉の難しさ」に対しての前置きをして、結局「すごい」で締めるあたり、本当に語彙力のない脚本家だなと思います。
でも、本当に凄いことって言葉じゃないもので伝わるものなんだと思う。
言葉って、本当に難しいな。
もっと言葉を大切にできたら、世の中はもう少し幸せになるのかな。
そう思って、また今日もステージの輝きからもらった力と想いを胸に、脚本へと向き直すのでした。僕も頑張ります。(終)